kakoart ~孤高の美術巡り~

美術が心の拠り所のかこが、日々の美術巡りに出会った感情や詩を綴るブログです。

ふるさとを描き遺す

私の心に響く絵と会えずに終わるのかと、最後に差し掛かった辺り、見た瞬間惹きつけられた。



大きくカーブした川に


黄色い夕日が木立の間から光を漏らし


川の水面を静かに照らしている


黄昏時を想わせる空に


遠くへ伸ばす雲


夕日の影になる木立


あの頃の自然を思い出させてくれる



きらきらと光る川の流れに


私の心を任せながら


生きていることの切なさを想う


あの頃と今とは考え方も変わったけれど


心の奥深い所で


今も変わらないものがある

消えないもの

この世界の言葉や


出来事は


いつか還ると


忘れてしまう



声も


姿も


忘れてしまう




残るのは


胸に込み上げた、色だけ




記憶を


優しく抱きしめて


大切に


いつまでも、いつまでも。

越えてゆく

流れる川に


微動だにしない木


私は泳ぐ


ただ進む



静かな湖畔に


鳥は枝に止まり


藍色の世界に包まれて


まるで時が止まったかのように



ふとした隙間から零れる


記憶を感じ


流れる雲を見つめ


また歩いて行く